「受験生特有のイライラや精神的な不安に悩んでいる」
「自分の子どもの集中力のなさに悩んでいる」
小中学生では成長期ということもあり、体の健康維持にも気を配らなければいけません。
しかし、受験生で気持ちが不安定な時期に横から口うるさく言ってもなかなか聞き入れてくれないですよね。
私自身も、かつて受験を経験しており、自分の子どもも受験生で精神的に不安定な時期を経験しました。
現在は子ども用サプリの開発に携わり、お子さんの成長期にあたって様々な悩みを抱える親御さんの生の声も聞いています。
この記事では、多くの子ども用サプリに配合されているDHAとEPAとは何か、どんな効果が期待できるのか、効率の良い摂取方法、効果に関する学術論文を紹介します。
DHA・EPAとは?
DHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸の略称です。
DHAやEPAは、体内で作ることができません。
食物から摂取しなければならない必須脂肪酸です。
主に、イワシやサバといった青魚に多く含まれていることで知られています。
DHAとEPAは、オメガ3系不飽和脂肪酸という栄養素です。
このオメガ3系脂肪酸は、さまざまな機能に影響を与える多価不飽和脂肪酸に属しており、科学的な構造も似ています。
そのため、同じような効果を発揮する場合もあります。
DHAとEPAの違いは?
DHAは、人間の脳や目の網膜に直接入って栄養素として機能できる珍しい成分です。
一方、EPAはDHAのように人間の脳内などにはほとんど入りません。
それでも、血液をサラサラにしたり中性脂肪を低下させたりする効果が高い成分です。
EPAは血液や血管の健康に影響するため、成人した大人の健康にとくに有効とされています。
EPAは摂取すれば増え、摂取しなければ減る増減があることがわかっています。
しかし、DHAはEPAのような増減は起こりにくいと言われています。
DHAは、成長期の子どもの脳の構成成分として重要な成分だということはわかっています。
しかし、EPAと比較するとまだまだ研究途上なのが実情です。
DHA・EPAにはどんな効果がある?
DHAとEPAは、血液や記憶力の成長、健康に欠かせない成分ということがわかっています。
具体的には以下のような効果があります。
- 学習能力の向上
- 集中力の向上
- アレルギーの予防・改善
- 目の健康維持
それぞれ、どんな効果があるのかを見ていきましょう。
学習能力の向上
DHA・EPAは、脳に情報を伝達する機能をサポートすることがわかっています。
私たちが目や耳から受け取った情報は神経細胞を通じて脳に伝わります。
DHA・EPAは、目や耳から受け取った情報を脳にスムーズに伝達させる手助けをしてくれるのです。
この働きにより、記憶力や学習能力を高めると言われています。
集中力の向上
DHA・EPAには、精神を安定させる働きがあることもわかっています。
DHA・EPAが不足すると、ムダな動きが多くなったり集中力がなくなったりすることがあります。
しかし、DHA・EPAを摂取することで脳が活性化され、集中力や社会性の高い行動の改善も期待されているのです。
アレルギーの予防・改善
DAH・EPAには、抗アレルギー作用もあります。
近年、アレルギー疾患の発生率が高いのは魚の摂取量が減っていることに関係しているとも言われています。
アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、気管支ぜんそくといったアレルギーは、体内に入ってきたアレルゲンを排除するため免疫系が過剰に反応するのが原因のようです。
DHA・EPAには、体内に入ってきたアレルゲンを阻害する働きもあるため、アレルギーの予防や改善に繋がります。
目の健康維持
DHA・EPAは、ドライアイの予防や改善といった目の健康維持にも効果があります。
目の網膜には多くのDHAが含まれているため、減少すれば網膜機能にも大きな影響を及ぼすと考えられています。
実際に、「ドライアイの症状を持つ64名の人を2つのグループに分け、一方にDHAやEPAのようなn-3系脂肪酸を、もう一方にはプラセボ(偽薬)を30日間連続投与した」実験が行われました。
その結果、DHAやEPAのn-3系脂肪酸を投与したグループには、ドライアイの改善効果が見られました。(参照:Short-term consumption of oral omega-3 and dry eye syndrome)
ほかにも、勉強中や読書といった普段使用する視力以外にスポーツ時の動体視力の向上にも効果的と言われています。
DHA・EPAのベスト摂取方法・摂取量は?
DHA・EPAは体内で作り出すことができない成分なので、食事から摂取するしかありません。
主に青魚に多く含まれていることが知られていますが、なかでもとくに多いのは下記の魚です。
- あじ(150g)はDHA 505mg、EPA 275mg
- いわし(100g)はDHA 568mg、EPA 690mg
- さけ(100g)はDHA 820mg、EPA 492mg
- さば(100g)はDHA 1,069mg、EPA 728mg
- さんま(150g)はDHA 1,468mg、EPA 886mg
(引用 https://yonago-mc.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2016/02/eiyou_news2010-9.pdf)
どの魚も旬の脂の乗った時期がDHA・EPAとも豊富に含まれています。
寝る前より朝に摂取する方が効果的?
DHA・EPAを効率よく摂取するには、摂取する時間も大切です。
人間の体の中には体内時計があり、脳は基本的に一度活性化すれば1日中その状態を維持できます。
そのため、DHA・EPAは1日に1回摂取すれば問題ありません。
産総研の研究によると、マウスを明期12時間・暗期12時間の環境下で飼育し、魚油の摂取時刻による機能性の違いを調べたところ、次のような結果が現れたとしています。
- 1日あたりの魚油の摂取量は朝摂取群と夕摂取群との間に有意差はみられなかったが、血液と肝臓の中性脂肪の量は、コントロール群に比べて朝摂取群だけに有意な低減効果がありました。
- また、DHAとEPAの血液中の濃度を測定した結果、朝摂取群の血中濃度は夕摂取群よりも有意に増加していることが判明しました。このことは、朝の魚油の摂取は、DHAやEPAの血中濃度を高め、脂質代謝を改善することを示しています。
(引用:産総研 DHAやEPAは朝に摂ると良い 血液と肝臓の中性脂肪が低下)
DHA・EPAの効果に関する学術論文
DHA・EPAの効果に関する学術論文を紹介します。
脳のPUFAの60%を占めるDHAは、胎児・乳幼児期の脳の発達だけでなく老年期にいたるまで脳機能維持には必須。
DHAは主に、神経新生や神経細胞の分化などの脳機能を維持するために重要な役割を担っています。
低所得国の学童を対象とした研究の結果、魚油の補給が比較的説得力のある認知効果をもたらすことが示された。
(出典元 脳の発達と機能におけるDHAの効果)
DHAを補給した子どもはすべて、対照群と比べてリラックスした気分になりました。
これは、健康な8〜10歳の子ども450人に魚油とオリーブオイルを補給したところ、気分に対する明らかな効果、すなわち衝動性や反社会的行動の減少が認められた別の試験と一致しています。
また、魚油の補給後に、学校時間中の身体活動の減少、反対行動の減少などの結果も現れています。
加齢による脳は特に炎症や酸化的な変化を起こしやすく、長期増強(LTP; Lynch, 2004)の加齢性障害に見られるように、学習や記憶の低下の背景にある可能性があることがわかった。
加齢に伴うLTPの障害に対して、EPA、DHA、そして最近ではDPAを食事で摂取させると、プラスの効果があることが示されていることがわかりました。
これらの効果は、サイトカインレベルの変化を介して作用する複数の抗炎症効果によって媒介されていると考えられています。
この研究では、加齢に伴うミクログリア活性化と関連する酸化ストレスの減少に同様の能力を示しました。
まとめ
子どもの成長期、とくに受験生のお子さんは集中力がなくなることやイライラしがちになることは珍しくありません。
このような成長期に、DHA・EPAを摂取すればイライラや不安を抑える効果が期待できます。
食事で十分摂取するのが理想的ですが、成長期のお子さんは魚より肉を食べたいということも多いと思います。
そんなときには、サプリを活用すると効率よく摂取できますよ。
偏食しがちな年齢のお子さんにぜひサプリの活用を検討してみてください。