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受験生が睡眠時間を削ってはいけない4つの理由:睡眠の質を上げる6個の方法

受験生が睡眠時間を削ってはいけない4つの理由:睡眠の質を上げる6個の方法

「寝る時間を惜しんで勉強しているのに実力がついている感覚がない」

「睡眠時間は取れているはずなのに集中力が続かない」

受験当日に結果を出すためにも、勉強を継続することは大切であり、受験勉強と同じくらい大切なのが「睡眠」です。

しかし、具体的にどのような関係があるのでしょうか。

正直、私自身も受験生時代、寝る時間を勉強に費やして寝不足状態が続いた経験があります。

今も、受験生向けのサプリメントの開発でお話を聞くお父さん、お母さんから受験時期の睡眠時間についての悩みをよく耳にします。

本記事では、集中力を上げたい受験生が睡眠の質を上げる大切さについて、以下の内容を紹介します。

  • 受験生の適正睡眠時間とは
  • 睡眠不足によって起こる4つの身体の変化
  • 受験生は朝型に切り替えるべきか
  • 睡眠の質を上げる6つの方法

「XX時間寝れば十分!」とひとくくりに片づける、よくありがちな無責任記事ではありません。

質の良い睡眠をとりつつ、勉強のコンディションを上げることに役立ててください。

受験生の理想の睡眠時間は?

一部ネット記事では、7.5時間が適正睡眠時間であることが紹介されています。

しかし、受験生の適正睡眠時間として「○時間がベスト!」「○時間寝る必要がある!」と断言することはできません。

なぜなら、年代ごとに必要な睡眠時間が異なるからです。

アメリカの国立睡眠財団による子どもの睡眠時間に関する研究結果によると、理想の睡眠時間は以下の表のように年齢によって異なることが報告されています。

年齢 推奨睡眠時間
6〜12歳 9〜11時間
13〜17歳 8〜10時間

【参考】アメリカ国立睡眠財団 National Sleep Foundationの睡眠時間の推奨事項

ただ、上記データはあくまでアメリカ国内での推奨であり、個人によって異なることを踏まえたうえで、ご参照ください。

内閣府の平成27年版 子供・若者白書によると、子どもが睡眠にかけている時間は以下です。

  • 10~14歳 約8時間
  • 15~19歳 約7時間

多くの子どもの睡眠時間と適正な睡眠時間に差があることがわかります。

睡眠時間を確保するのも受験対策の1つです。

子ども自身が十分と思え、集中力や理解力に問題が見られない睡眠時間を確保するのが大切です。

夜の睡眠時間をしっかり確保することを意識して勉強に励みましょう。

なぜ受験生こそ睡眠時間を確保すべき?

受験生が睡眠時間を確保すべき以下の理由を紹介します。

  1. 学習効率が下がるから
  2. 寝ている間に記憶が作られるから
  3. 精神的に不安定になるから
  4. 免疫力が低下し体調不良を招くから

前述したように、睡眠の質は受験勉強の質を上げることにも密接に関係しています。

万全のコンディションで受験に臨むためにも、睡眠の大切さを改めて確認しておきましょう。

1つずつ詳しく紹介します。

学習効率が下がる

睡眠不足の状態での受験勉強は、集中力が長続きしません。

長時間机に向かっていることができないことで学習効率が低下し、成績にも影響を及ぼすでしょう。

以下のような傾向があれば睡眠不足が考えられます。

  • 単純な計算問題を間違えてしまう
  • 英単語や漢字の暗記が定着しない

なぜなら、人の論理的思考を支える「全頭連合野」という脳の部分が休めていないからです。

論理的思考が正常に働かないことで、学習効率が低下や脳の疲労が蓄積されてしまいます。

受験勉強をするやる気が起きず、何をしても気だるく感じるようになっていくでしょう。

十分な睡眠時間を確保したうえで、受験勉強に取り組むことが大切です。

寝ている間に記憶が作られる

人の脳では、寝ている間に記憶や勉強した内容が定着します。

睡眠は以下のように「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類から構成されます。

睡眠の種類 眠りの深さ 情報処理効果
ノンレム睡眠 浅い 脳内の不要な情報を削除
レム睡眠 深い 必要な情報を固定

「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」を交互に繰り返すことで、脳内の情報処理が行われます。

レム睡眠とノンレム睡眠が何度も繰り返すことで、より記憶が整理されやすくなります。

よく「暗記系の科目は、睡眠前に覚えると良い」と耳にしますが、徹夜して覚えていては本末転倒です。

しっかりと睡眠時間を確保することで、記憶力はアップするといえます。

精神的に不安定になる

睡眠が不足することで、精神的に不安定になりやすくなります。

不安や苛立ち、焦りなどの感情に陥る傾向があります。

また、やる気が喪失することで、ストレスの蓄積にも繋がってしまいます。

受験勉強を継続することが困難になるため、効率も悪くなり悪循環を招くでしょう。

原因としては、感情や記憶を司る「大脳辺縁系」が休めていないことが挙げられます。

睡眠時間が不足することで、大脳辺縁系の疲労がきちんと回復されず、精神的に不安定な状態になってしまいます。

精神を安定した状態に戻すためには、良質な睡眠をとることが大切です。

受験勉強に対してストレスを感じる瞬間がある方は、睡眠の取り方を振り返ってみることをおすすめします。

免疫力の低下による体調不良

質の良い睡眠は、ウイルス感染による不調の発症を軽減する効果があります。

睡眠には身体の損傷を修復する効果があり、免疫力にも深く関っているからです。

連日寝不足になり、体調を崩したり、風邪をひいてなかなか治らないといった経験がある方もいるでしょう。

根を詰めた受験勉強によって連日夜更かしをすることで免疫力が低下し、さまざまな不調や病気がおこりやすくなります。

疲れが溜まりやすくなり、頭が働かなくなってしまいます。

勉強時間の確保が、むしろ勉強効率を落としてしまうことになりかねません。

夜遅くまでの勉強は程々に切り上げて、睡眠時間を確保することが大切です。

受験生は無理に朝型にすべき?

受験生であっても、無理して朝型体質にすることはおすすめできません。

2019年に『Nature Communications』で朝型と夜型の違いに関する研究結果が公開されました。

研究結果では、8万9,000人以上の遺伝子を分析したところ、朝型と夜型の違いは生まれつきの体質によることがわかりました。

一般的に朝起きることの得意・不得意は、子どもの気力や性格と結びつけて考えられる傾向があるでしょう。

しかし、関連性は明らかにされておらず、生物学的根拠としては体内時計に関係していることが証明されています。

低年齢の子どもの生活リズムを極端にさせることは、むしろ逆効果になるケースも考えられるでしょう。

確かに、ほとんどの場合受験本番は朝の時間になるでしょう。

しかし、いきなり「明日から朝5時に起きるぞ!」と無理して早起きしようとせず、まずはできる範囲の朝型に切り替えることを心掛けましょう。

睡眠の質を上げてすっきり頭脳をキープする方法6つ

睡眠の質を底上げする方法を紹介します。

  1. 体をしっかり温める
  2. ホットミルクを飲む
  3. 寝る前のカフェイン摂取を控える
  4. 寝る前にスマホ・ゲームを触らない
  5. 腸内環境を整える
  6. 寝る前のルーティンを作る

子どもがすぐに実践しやすいものから継続が必要な方法まで取り揃えました。

それぞれの方法を説明します。

体をしっかり温める

入浴はシャワーで済ませず、湯船に浸かって体を温めことが大切です。

寝る1〜3時間前には入浴を済ませるようにしましょう。

寝具や寝室も、体温の高低差が激しくならないように、季節や子どもの体調に合わせた環境づくりを意識しましょう。

ホットミルクを飲む

牛乳を飲むことで「メラトニン」というリラックス効果を高めて寝つきを良くするホルモンが生成されます。

また、温かい飲み物を取り入れることで、体温が低下する時に眠気が感じやすくなります。

ホットミルクは、安眠効果を高めるのに最適な飲み物です。

スムーズに眠りにつきたい方は、取り入れることをおすすめします。

寝る前のカフェイン摂取を控える

カフェイン摂取は交感神経を優位にし、脳が興奮状態になります。

特に夕方以降のカフェイン摂取は、寝つきや眠りの質を悪くすることに繋がるため注意が必要です。

夜の勉強中に、眠気を打破するべくカフェインを過剰摂取しているなら、1度睡眠の質を見直してみましょう。

どうしても我慢できない場合は、ノンカフェインのコーヒーやハーブティーを飲むことをおすすめします。

寝る前にスマホ・ゲームを触らない

スマホやゲームの画面起動時に放出されるブルーライトには、脳を覚醒させる作用があります。

睡眠ホルモンといわれるメラトニンの分泌を抑制し、睡眠を浅くすることに繋がります。

「布団やベッドの中で長時間ごろごろしてしまう」という経験をしている方も多いでしょう。

このような状態を避けるためにも、寝る1時間前はスマホやゲームを触らせないようにしましょう。

腸内環境を整える

腸内環境を整えることで、睡眠の質が向上するといわれています。

なぜなら、メラトニンをスムーズに生成するためには、「トリプトファン」という物質が必要だからです。

トリプトファンは、たんぱく質に多く含まれるアミノ酸の1種で、体内では生成されない物質です。

たんぱく質を分解するためにも、日々の食事を見直して、腸内環境を整えるようにしましょう。

寝る前のルーティンを作る

ルーティンによって身体を落ち着かせる効果は、スポーツに限らず睡眠の導入にも役立てることができます。

受験勉強によって長時間稼働させた脳は、興奮状態になっています。

寝る前の習慣を身につけることで「これを終えたら眠るぞ」と体内のリズムを作り出すことができます。

寝つきを改善するためにも、リラックスした状態になれる方法を探して長期的に取り入れてみましょう。

まとめ

睡眠には脳や身体を休める他に「免疫力を高める」「記憶を固定する」「感情を安定させる」など、さまざまな役割があります。

「寝たいときに眠れない」「寝ているはずなのに体調が悪い」という方は、睡眠の質が悪い傾向があるでしょう。

睡眠時間を削ると、勉強時間を確保できるように思えます。

しかし、勉強内容は脳に定着せず、「ただ机に向かっているだけ」の時間が増えがちです。

睡眠の質は、生活の質に繋がり、受験勉強の質にも繋がっているといえますね。

今のうちから睡眠不足を解消して、万全の体制で受験対策を進めましょう。

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