自分の子どもにどの勉強法が合っているのかわからない
文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」では、小学校4~6年の8割以上が塾・家庭教師・通信添削・習い事などの学校外での学習活動を行っているようです。
しかし、ほかの子どもが大手塾に通っているのを見て、なんとなく「うちも通わせなきゃ」ではなかなか望むような成果は得られません。
私自身受験生の子どもが先日までいましたし、もう少しで次の子の受験が始まります。
公平な形で集団塾、個別指導塾、家庭教師、通信添削のメリット・デメリット、向き不向きを説明します。
中学受験にスポットを当てておすすめ塾を以下で紹介しています。
集団塾とは
集団塾とは、教師一人が複数の生徒に対して授業を行う、学校の授業と似た学習をする塾です。
多くの集団塾では、プロ教師が指導を行うためハイレベルな授業が行われます。
また、全国模試などにも参加できます。
調査によると、小学生のうちは、集団塾と個別塾の割合はほぼ同じです。
中学生になると個別塾の割合の方が多い傾向にあります。
小学校
1.集団塾 | 49.2% |
2.個別塾 | 45.2% |
中学校
1.個別塾 | 53.0% |
2.集団塾 | 41.1% |
データ引用:株式会社インタースペース調査「小学生・中学生の塾通い」
集団塾は、生徒数が多いので費用は抑えられるメリットがあります。
しかし、夏期講習や冬期講習など別途料金がかかる場合もあります。
集団塾で成績が伸びる子
集団塾で成績が伸びる子の特徴は下記の通りです。
- 決められたカリキュラムに沿って学習を進めたい子
- 競争心が強い子
- 大勢の中でも質問することに抵抗がない子
集団塾は、ある程度年間のカリキュラムが決められています。
そのため、決まったペースで学習したい子には向いています。
集団生活の中で切磋琢磨できる仲間と競争心を持つことでモチベーションアップできる子も成績が伸びやすいです。
集団塾では、恥ずかしがって人前で質問ができない子はどんどん置いていかれます。
わからないところは、「わからない」と質問できる子には集団塾でも問題ないと言えるでしょう。
集団塾に向いていない子
集団塾に向いていない子の特徴について説明します。
- 学校の授業について行けない子
- 基礎学力が身についていない子
- マイペースな子
集団塾では、カリキュラムに沿って進められるのでハイペースで授業が行われます。
そのため、学校の授業についていけてない子や基礎学習が身についていないと授業についていけない可能性もあります。
お子さんがマイペースな性格の場合も、集団塾には向いているとは言えません。
競争力をあまり持っていない子も、集団塾では成績は伸びにくいです。
質問を遠慮しがちな子や自分のペースで進めたいと思っている子なら、個人指導塾や家庭教師のほうが向いているでしょう。
個別指導塾とは
個別指導塾とは1対1、または教師1人に対して多くて3人くらいの少人数の学習方式を設けているところです。
多くの場合大きな教室を3〜4つの部屋に分けて指導しています。
有名な個別指導塾では、「個別教室のトライ」や「個別指導の明光義塾」などがあります。
個別指導塾の特徴は、生徒の学習能力・私生活の時間との都合・受験する学校に合わせてオーダーメイド方式の指導が選択できます。
学校の授業に沿った内容を中心に指導をしてくれます。
1対1の授業や少人数の授業なので、内気なお子さんも質問しやすく、教師から一人ひとりに目が届きやすいです。
個別指導塾で成績が伸びる子
個別指導塾で成績が伸びる子の特徴は下記の通りです。
- 苦手分野の克服や目標校に合わせた特定教科のみを自分のペースで学習したい子
- 部活動やプライベートとも両立したい子
- 弱点を発揮し強化できるスケジュールを組みたい子
個別指導塾では、苦手な部分をしっかり復習できるので基礎学習が身についていない子におすすめです。
集団塾では、自分のペースは関係なく授業が進められるため、授業についていけなくなる可能性もあります。
また、部活動などで忙しい子も個別指導塾が適しています。
生徒の部活動などを考慮したうえで、指導してくれる時間を調整してくれる塾がほとんどです。
受験する学校が決まっていて、自分のペースで苦手な部分を強化したい子には個別指導でしっかり教えてもらうことで克服できるでしょう。
個別指導塾に向いていない子
個別指導塾に向いていない子の特徴を説明します。
- どこを質問すればいいのかわからない子
- 勉強のスケジュールが立てられない子
- 宿題や復習がきっちりできる子
個別指導塾は、教師に質問しやすいのが魅力の一つです。
その反面、わからない部分を積極的に質問できないと時間だけ過ぎてしまいます。
また、時間を無駄にしないという点では勉強のスケジュールを立てられない子も個別指導塾には向いていません。
スケジュールを自分で立てられない子は、授業感覚で誘導してくれる集団塾のほうが良いでしょう。
宿題や復習がきっちりできる子も、個別指導塾では物足りなく感じてしまう場合もあります。
教師一人に対して生徒が2〜3人いる場合、他に積極的に質問する子がいればその子ばかりに時間を取られてしまいます。
「自分はあまり教えてもらえなかった」ということも起こりえるので注意が必要です。
家庭教師とは
家庭教師は、一般的に自宅で勉強を教えてもらえる学習スタイルです。
最近は自宅だけでなく、カフェやファミレスといった公共の場所で教えることもあります。
家庭教師は、「学生家庭教師」と「プロ家庭教師」に分かれています。
学生家庭教師は大学生などがアルバイトで行っており費用も抑えられるのが特徴です。
プロ家庭教師は、社会人が職業として行っており、学生家庭教師に比べると価格が上がります。
どちらにしても、生徒のペースやレベルに合わせて学習を進められるため、理解度が高くなります。
お子さんと家庭教師の距離も比較的近いので勉強以外の相談にも乗ってくれることもあり、精神面でのサポートになることもあるでしょう。
家庭教師で成績が伸びる子
家庭教師で成績が伸びる子の特徴は下記の通りです。
- 基礎から丁寧に勉強したい子
- 積極的に質問ができない子
- 部活動などで忙しく塾に通えない子
家庭教師は、1対1でじっくり学習をみてもらえるため、わからない部分があっても恥ずかしい思いをしません。
したがって、勉強が苦手な子も基礎から丁寧にしっかり学習できるのが特徴です。
家庭教師の出身校を選べることも多いので、受験を予定している中学校の先輩であれば受験対策もできるでしょう。
また、集団の中に入ってしまうと積極的に質問ができない子も家庭教師が向いています。
お子さんの性格に合わせて勉強に対するモチベーションを維持したいなら、気軽に質問できるほうが成績も伸びるでしょう。
お子さんが部活動などで忙しいときも、家庭教師なら急な時間変更に対応してくれる場合もあります。
家庭教師の都合によっては休日にも対応してくれます。
平日の生活リズムをあまり崩したくない子にもおすすめです。
家庭教師に向いていない子
家庭教師に向いていない子の特徴を説明します。
- 友達と勉強するほうがはかどる子
- 偏差値上位校を受験したい子
- 自宅では集中できない子
大勢の中で、仲間と切磋琢磨しながら勉強するほうが好きな子には家庭教師は向いていません。
一人で黙々と勉強するより、仲間と相談しながら勉強するほう伸びる子は実際にいます。
また、偏差値上位の進学校を受験しようと思っている人にも家庭教師はあまりおすすめしません。
偏差値上位校に進もうと思っているなら、目指す学校の受験対策に強い個別塾のほうが全教科まんべんなく対応できる先生も多いです。
また、自宅でいつもの環境でついダラダラしてしまう子も家庭教師では集中できない場合もあります。
そのような子は、塾などに通って勉強する環境を変え、オンオフの切り替えをしたほうが学習も身につきます。
通信添削とは
通信添削とは、テキストや問題集が自宅に送付され自分で勉強するスタイルです。
回答を送ると添削されたものが、返送されてきます。
毎日コツコツ進める勉強スタイルが多く、月末にその月に勉強した内容を問題として出すのが一般的です。
返送された答案に間違い箇所があると、細かく解説されているので復習もしっかりできます。
なかには、中学受験や高校受験のレベルに合わせた難しい問題に対応していたり解説動画が配信されていたりもします。
近年では、タブレットを使用した学習方法も増えてきました。
通信添削で成績が伸びる子
通信添削で成績が伸びる子の特徴を説明します。
- 自分で勉強のリズムを調整できる子
- 学習の基礎を確認したい子
- 周りに人がいない環境のほうが集中できる
通信添削では、自分で勉強のリズムを調整できるのが一番大切なことです。
そばで指導してくれる人もいないため、自分なりの勉強方法が確立していることが重要です。
周りと同じカリキュラムで進む塾では、非常に優秀な子には物足りないと感じることもあるかもしれません。
逆に、基礎学習に自信がない子も塾より通信添削が向いています。
タブレット学習なら、何度でもやり直すことが可能で、反復学習もしっかりできるでしょう。
また、一人で黙々と勉強するほうがはかどるという子も通信添削が合っています。
周りの雑音が気にならず自分の部屋で集中して勉強できる子には通信添削で成績が伸びる子が多いです。
通信添削に向いていない子
通信添削に向いていない子の特徴を説明します。
- 強制力がないと勉強できない子
- 自宅での勉強に集中できない子
- 一緒に勉強する子がいないとモチベーションが上がらない子
塾などに通っていると、教師から「次はこの問題」などとある程度指定されながら学習していきます。
しかし、通信添削では指導してくれる人はいないので、すべて自分で学習していかないといけません。
人に言われたとおりにするほうが勉強がはかどる、という子には通信添削は向いていません。
また、塾などに通っている子はもっと幅広い範囲を勉強しています。
教師に質問すればそこから話しが広がり、応用問題などを解くことにも発展するでしょう。
しかし、通信添削では送られてきた教材をすることしかできません。
一緒に勉強する子もいないので、自分一人でモチベーションの維持ができない子も難しいでしょう。
まとめ
学校以外での学習方法はさまざまあります。
どの学習方法で学ぶかは、お子さんのタイプに合わせて選択しましょう。
友達があの塾で学習しているから
あの塾は口コミが良いから
そんな安易な理由で選ぶとお子さんには合っていなくて後悔する場合もあります。
お互いにどの学習方法が子どもにとってプラスになるのか納得したうえで決定してくださいね。