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中学受験生に言ってはいけない言葉ランキングと言い換えアドバイス

子どものストレスになるような言葉はかけたくない…

子どもの受験は家族のなかでも一大イベントです。

実は子どもより、親の方が心配して右往左往するケースも多いのではないでしょうか?

思春期ゆえのコミュニケーションの難しさも重なると、どんな声をかけたらいいか分からなくなりますよね。

今回は、受験生に言ってはいけない言葉12フレーズをランキング形式で紹介します。

周囲の親や子ども(受験生や受験経験者)のリアルな声を集めた調査結果のランキングです。

親が受験生に言ってはいけない言葉ランキング12選

受験生が親に言われると嫌な気持ちになり落ち込んでしまうNGフレーズは以下です。

  1. このままだと落ちちゃうよ
  2. もっとがんばらないと…
  3. 大丈夫?合格できそう?
  4. あなたなら絶対できるよ
  5. 期待していたのに
  6. 隣の◯◯くんは朝早く起きて勉強してるんだってよ
  7. 良い結果期待しているよ
  8. がんばって!
  9. お金がかかってるんだからね
  10. もし落ちたら…
  11. ドキドキしてきちゃった
  12. XXXが終わるまでは○○しちゃダメ

「えっ、これも?」という意外な禁句も含まれているかもしれません。

つい口にしてしまっている言葉がないか、確かめてみてください。

子どもの受験期間は、親もついついストレスを溜めがちです。

親側のストレス対処法についてはこちらの記事で解説しています。

このままだと落ちちゃうよ

子どもの受験が近づくと親も焦ってしまい、「このままだと・・・」と心配を口にしたくなります。

子どもの様子を外から見ているだけに、受験する本人以上に焦る気持ちが高まるのかもしれません。

でも、「このままだと○○できないよ」は完全にNGワードです。

子どもに「できないかもしれない」という不安を植え付けることになります。

必要のない焦りを感じさせることになりかねません。

特に模試での志望校判定が悪かったりすると親子ともにやる気をなくしがちです。

「こうしたら・・・」にポジティブ言い換えもできるが

「このままだと」の後には、どうしても消極的な言葉が続きます。

「こうしたら」という言葉に置き換えてみるのはどうでしょうか?

「こうしたら合格にもっと近づくかもよ」「こうしたらこの問題解けそうだね」と、積極的な言葉が続くようになります。

しかし、相談されてもないのに提案すると子どもは嫌がるようです。

自分で解決策を模索することも大切なので、聞かれるまではそっと見守る方がいいかもしれません。

もっとがんばらないと…

子どもがあまりがんばっていないように見えると、つい言ってしまいたくなる禁句フレーズです。

「このペースで勉強しても、志望校には受からないかも・・・」と焦ってしまうとなおさらですね。

「もっと・・・」を使って励ましたい場面は多いでしょう。

しかし、子どもにとって「もっと・・・しないと」は受け入れにくい言葉のひとつです。

特に、子どもが自分なりにがんばっている時に「もっとがんばらないと」と言われると苦痛でしかありません。

「私のがんばりを見てくれていない」と、親に不信感を抱くようになる場合もあります。

がんばりを認めてあげる

まずは、子どもがどれくらいがんばっているのか正しく判断できるように、よく観察してみましょう。

学校での話を聞くと、知らないところでがんばっていることが分かるかもしれません。

がんばっていることを親から認められることは、子どもにとってうれしいことです。

「もっとがんばろう」という気持ちが自然とわいてくるようにサポートできるといいですね。

大丈夫?合格できそう?

自信をつけさせたい時に、「〇〇なら大丈夫」と声をかけたくなることないですか?

この「大丈夫」が入るフレーズは意外と子どもにとってかけてほしくない言葉にあげられています。

「本当にそう思っている?」「根拠もなく大丈夫なんて言わないでほしい」と思ってしまう子どもが多いようです。

無責任な言葉に聞こえるのかもしれません。

「大丈夫?合格できそう?」と聞かれるのも、子どもは嫌うようです。

自分では大丈夫だと思っていても、親から聞かれると「大丈夫じゃないのかも」と不安が湧いてくるかもしれません。

「大丈夫」という言葉は、積極的でも消極的でも受験期には使いにくい言葉と言えそうです。

見守ることも重要

自分の子は大丈夫だと信じているなら、そのままそっと見守りましょう。

合格できそうか不安に思っていそうなら、「何か不安なことあるの?」と尋ねてみるのもいいかもしれません。

いずれにしても、親の不安が子どもに伝わらないようには気を付けましょう。

あなたなら絶対できるよ

信頼していることを子どもに伝えることは間違ってないように感じますよね。

子どもがよくがんばっている姿を見ているなら、なおさらこの言葉を言いたくなると思います。

しかし、受験中の子どもにとってプレッシャーになる言葉のようです。

「親の期待に応えないといけない」という気持ちが強くなりすぎると、その期待はプレッシャーやストレスになります。

思うように成績が伸びないと、「もう期待通りにはなれない」と心が折れてしまうかもしれません。

気持ちは伝わっています

親から信じてもらうことは、間違いなく子どもの励みになっているはずです。

子どもを信じていることは、プレッシャーにならない程度に伝わるよう意識するといいでしょう。

親から信じてもらえているかは、NGワードを使わなくても子どもは意外と感じ取っているものです。

期待していたのに

言うつもりはなかったのに、つい口にしたくなるフレーズです。

言ってしまって後悔することも多いのではないでしょうか?

子どもへの期待が高いほど、模試などで期待していた結果が出せなかった時はがっかりするものです。

結果を出せなくて一番辛いのは当の本人です。

そのうえ、「親の期待に応えられなかった」と感じさせてしまうなら、気持ちを立て直すことがより難しくなる可能性があります。

罪悪感を抱かせない

親の期待を裏切ってしまったと、罪悪感を抱かせないように注意することは大切だと思います。

期待通りいかなくても、親はどっしり構えているくらいであれば子どもは次のステップへ進みやすいでしょう。

本番で第一志望校に合格できなかったとしても、親がしっかり結果を受け止めて次のステップへの道筋を見せてお上げることが重要です。

隣の◯◯くんは早く起きて勉強してるんだって

受験生を持つ親がついやってしまうのが、他の人と比較することです。

受験期は、特に周りの子たちのがんばりが目に入ります。

でも、もし自分が人と比較されて、できていないことを指摘されたらどう感じるでしょうか?

いい気持ちはしませんし、場合によっては、心の傷として長く残ることもあります。

人と比べるクセがつき、大人になっても劣等感に悩まされているケースも多いようです。

子どもも大人と同じで、一人ひとりできることや置かれた環境が違うことを忘れないようにしましょう。

隠れ比較フレーズにも気をつける

他の子と同じようにがんばってほしいと思っても、比較する言葉はグッと我慢

親には比較意識がなくても、子どもは比較されているように感じる以下のような「隠れ」比較フレーズにも気をつけましょう。

  • 普通は・・・
  • たいていは・・・
  • ほとんどの子は・・・
  • みんなは・・・
  • 誰でも・・・

自分に合った課題を見つけ、取り組むことができるようそっとサポートできるといいですね。

良い結果期待しているよ

「期待してるよ」は、親としては大した重みもなくかけてしまいがちな言葉です。

しかし、この言葉は「親にかけてほしくない言葉」の上位にランクインします。

多くの受験生たちが、この言葉によって大きな重圧を感じているようです。

「親の期待に応えられるような結果をだせるだろうか」と不安になると、それはストレスになります。

模試や学校のテストで思うような点数が取れなければ、親に隠したくなるかもしれません。

今がんばっていることに目を向ける

たとえ良い結果を期待しているとしても、あまり言葉には出さない方がいいでしょう。

受験生であればどんな結果を期待されているか、本人も十分わかっているはずです。

結果のことよりも、今がんばっていることに目を向けた方がゆとりをもって見守れそうですね。

がんばって

最近では、「がんばって」を使うには注意が必要なことが広く知られるようになってきました。

励ましの言葉としてもっとも頻繁に使われてきた言葉だと思います。

ですから、受験生が言われたくないフレーズに「がんばって」が入るのは意外かもしれません。

「じゃあ何て言って励ましたらいいの?」と頭を抱える方も多いかもしれません。

それでも「がんばって」と声をかけられて、かえってやる気をなくしてしまうことは多いようです。

がんばって!よりがんばってる!

がんばることを「求める」言葉より、がんばっていることを「認めている」ことを示す言葉を選ぶ方がいいでしょう。

もちろん、なかには「がんばって」の声かけで実際にがんばれる子もいます。

どちらにしても、子どもが払っている今の努力を認めてあげる方がより重要です。

時と場合、子どもの性格もあるので難しいのは確かです。

しかし、どちらがいいか分からない場合は「がんばって」を使うより「がんばってるね」の方が効果的です。

お金がかかってるんだからね

受験中に親が負担する費用は安くありません。

それなりの結果がついてこないなら、お金の話を持ち出したくもなるでしょう。

冗談交じりに口にすることもあるかもしれません。

なかには、ハッとして「親のためにも」とがんばり始める子もいるかもしれません。

もちろんお金の話しも、金銭感覚の教育として必要でしょう。

教育費用のことを持ち出して、もっとがんばるようけしかけるのはNGです。

頻繁に使ってしまい、子どもを追い込んでしまう可能性さえあります。

家庭の財政状況について話し合う

成績や受験結果は、費やしたお金にかならず比例するとも限りません。

各々の経済事情に合わせた受験対策ができるよう、家族でよく話し合いましょう。

財政状況に合った受験をすることが、このNGワードを避ける最善の方法かもしれません。

まずは親の側が、教育費の面で無理な計画を立ててパニックにならないようよく準備しましょう。

もし落ちたら…

人は誰でも、もしものことを考えるものです。

お子さんを信じていても、「もし第一志望がだめだったら・・・」と考えることがあるかもしれません。

ただ、それを口には出さないように注意しましょう。

「もし落ちたら・・・、もしダメだったら・・・」というセリフを聴いてしまうと、「無理かもしれない」という不安が頭によぎることになります。

無理だと思った時点で、勉強に身が入らなくなることもありえます。

失敗時のサポート方法は親の心にしまう

実際にダメだった時にどう子どもをサポートするかについて、親や他の家族が事前に準備しておくことは大切です。

でも、それは親の心の中にしまっておきましょう。

(私も)ドキドキしてきちゃった

子どもの受験は、親も一緒になってドキドキ不安になることも多いでしょう。

それは、受験する子どもに心から寄り添っている証拠です。

しかし、ドキドキしていることを声に出すのはグッとこらえましょう。

親が動揺すると、子どもも動揺します。

本人は冷静だったのに、親の緊張が移ってしまうこともあるでしょう。

そうなるといつもの力が発揮できなくなります。

親の側はルーティーンを崩さない

親自身がリラックスする方法を見つけておくといいと思います。

テストや模試の日でも、いつものルーティーンは変えない方がお互いに緊張しにくいでしょう。

大切なルーティンづくりの一つに、大切な模試や受験前日の食事があります。

 

XXXが終わるまでは○○しちゃダメ

「宿題が終わるまでスマホ見たらだめ」「塾の予習が終わるまで外に出てはだめ」

大切なことを先に終わらせてほしくて、こんなセリフ言ってしまいたくなることないですか?

ペナルティと感じさせるような交換条件は、子どもにとって負担のようです。

確かに、子どもを縛って勉強させているような言葉に感じます。

「やりたいことを我慢している」という意識が強いまま、勉強に取り掛かることになるかもしれません。

いやいやで勉強する習慣や、中身の伴わないその場しのぎの勉強をするクセが身についてしまうかもしれません。

適度なご褒美作戦のほうが有効

どちらかといえば、ご褒美による交換条件の方が効果的です。

それでも、いつもご褒美を用意するなら、何のためにがんばるのかに関して間違った思考を育てることになるので注意しましょう。

アメがなければがんばれなくない大人になる可能性があります。

受験生とのコミュニケーションで重要な3ポイント

受験生が言われて嫌な言葉について考えましたが、こんなにあると何も話せなくなってしまうと心配になるかもしれません。

しかし、同じ言葉をかけられても、その場のシチュエーションや子どもの調子によって反応はそれぞれだったりもします。

言ってはいけないフレーズを気にしすぎても、かえってぎくしゃくしてしまう場合もあるでしょう。

重要なのは、大切なポイントをおさえながら子どもとコミュニケーションをとることです。

以下の3つのポイントをおさえつつ、子どもの受験期を一緒に乗り越えていきましょう。

  1. 口を出さずに見守る
  2. 気持ちに共感する
  3. 努力をほめる

それぞれのポイントについて説明します。

口を出さずに見守る

今回「親にかけてほしい言葉」のアンケートを取った際に、実は3割が「特にない」と答えました。

つまり、3~4人に1人は、親からの声かけを期待していないことが分かります。

直接的な激励の言葉をかけてもらうことよりも、静かに見守ってほしいと多くの子どもが思っているようです。

子どもを信頼し、そっと“見守る”事が大切であることを覚えておきましょう。

特に、進路への過度な口出しは禁物です。

親の希望だけで進路を決めさせるようなことは避けましょう。

本人が決めた進路を尊重し、心からサポートすることが重要です。

そうするなら、その後のコミュニケーションもスムーズにいくでしょう。

いつでも相談しやすい雰囲気を作りましょう。

そうすれば、こちらから声をかけずとも子どもの方から話しかけてくるかもしれません。

気持ちに共感する

お子さんの言葉に“共感”することも大切です。

例えば、「勉強ばかりで嫌になる」と子どもが口にすることもあるでしょう。

そこで返しざまに「そんなんじゃダメでしょ!」と批判するのは最悪です。

「そっか嫌になったんだね。少し気晴らしでもしようか。」と言うふうに子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。

受験生にとって、受験期はストレスとの闘いでもあります。

親に気持ちに共感してもらえると、子どもは気持ちを楽にすることができます。

気持ちが楽になると、「またがんばろう」という気持ちがわいてきます。

共感のコツはオウム返し

共感といっても、難しく考える必要はありません。

よく言う「オウム返し」をすればよいのです。

言った言葉をそのまま返すだけで、人は共感してくれていると感じます。

お子さんが弱音をはいてきたら、子どもに寄り添うチャンスと考えましょう。

受験期に子どもとのコミュニケーションのパイプを切らさないためにも、いつも共感を意識して会話しましょう。

努力をほめる

結果をほめられる以上に、努力をほめられると子どもはうれしいものです。

「今日は3時間も勉強、よく頑張ったね」「難しい問題だったのにあきらめずによく頑張ったね」と、できるだけ具体的にほめましょう。

具体的にほめるには、子どもの様子をよく知ることが求められます。

家だけでなく、学校や塾などでもがんばっていることを聞き出しましょう。

ほめるポイントをたくさん見つけられるに違いありません。

努力をほめることは、がんばる原動力になります。

自分ががんばっていることを、親がちゃんと見てくれていたと感じるからです。

能力や結果ではなく、「努力」をほめることを意識することはとても大事です。