DHA・EPAは青魚に多く含まれており、成長期のお子さんにとても重要な栄養素だということは皆さんご存じのようです。
しかし、魚より肉を食べたいという子も多く、毎日の食生活だけでは十分な量の栄養が摂取できているか不安に思う方も多いのではないでしょうか。
成長サプリの開発で毎日のようにヒアリングさせていただく親御さんからも「DHA・EPAが不足するとどうなるのか?」とひんぱんに質問されます。
とくにDHA・EPAの不足が脳や目に与える影響を不安視されている親御さんが多い印象があります。
この記事では、DHA・EPAが不足するとどうなるのか、脳や目に与える効果と注意点についてご紹介します。
DHA・EPAの基本、違いについてはこちらの記事で分かりやすく解説しています。
DHA・EPAが不足するとどうなるのか?
DHA・EPAが不足すると起こる影響は以下のとおりです。
- 脳の発育に影響する
- 肥満になりやすい
それぞれについて詳しく説明します。
脳の発育に影響する
DHA・EPAはそれぞれ脳の発育に大きな影響を与える栄養素です。
とくに、DHAは脳を活性化して集中力や判断力、処理能力を高める働きがあると考えられています。
したがって、不足すると判断力や処理能力といった情報伝達がスムーズに行われず、学習能力の低下につながります。
つまり、脳の発育や神経組織が発達する段階で十分なDHA・EPAが摂取できていないと脳の働きも悪くなってしまう可能性があるのです。
そのため、子どものうちからしっかり摂る必要があるでしょう。
肥満になりやすい
DHA・EPAは内臓脂肪を減らしてくれる働きがあります。
肥満の原因となる中性脂肪は日々の食生活と運動が大きく関係しています。
そのため、暴飲暴食を続ける生活や運動不足によりエネルギーがあまり使用されないと、余ったエネルギーは内臓脂肪として体内に蓄積され、肥満になるのです。
DHA・EPAは内臓脂肪を減らしてくれます。
EPAは脂質の代謝に関係している遺伝子に作用し、脂肪を燃焼しやすい体質に変えることができるのです。
そのため、肥満になりやすい子どもほど、積極的にDHA・EPAを摂取しましょう。
DHA・EPAの効果
DHA・EPAは、脳だけでなく目の網膜や視神経にも多く存在しています。
実は、人体のなかでDHAが最も多く貯蔵されているのが目の網膜、視神経の細胞膜です。
網膜に含まれる脂肪酸の約50%はDHAが占めています。
次いで脳で記憶を司る「海馬」にDHAはが多く存在している部位で、その脳の20%部分にDHAが存在しています。
まず、脳を活性化することで集中力を高めたり記憶力の維持に役立ったりしますが、その後目にもスムーズに情報を伝達します。
DHAには細胞膜を柔らかくする作用があり、目の網膜や視神経の細胞膜にDHAが多く含まれると、網膜に映った映像を正確に脳に伝えることができるのです。
DHAには血管や赤血球を柔らかくする働きもあり、EPAには血栓を作りにくくする働きがあるため血液が流れやすくなります。
特にEPAは中性脂肪や悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす働きもあるため、血液サラサラ効果を期待できます。
DHA・EPAを摂り過ぎた際の副作用とは
他の栄養素と同様に、DHA・EPAも過剰摂取すると悪影響を及ぼす恐れがあります。
DHA・EPAの適切な摂取量についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
DHA・EPAを摂り過ぎた際の副作用は主に以下のとおりです。
- 血液が止まりにくくなる
- 心房細動リスクが高まる
- 血糖値の上昇
それぞれ詳しく説明します。
血液が止まりにくくなる
EPAは脳梗塞や心筋梗塞といった、血栓ができて血管が詰まる症状を避けるための栄養素でもあります。
一見、私たちの体を健康的に守ってくれる印象ですが、摂り過ぎた場合には副作用に注意しなければいけません。
血管の流れをスムーズにするのが主な役目のため、血液が固まりにくくなる可能性があります。
そのため、過剰摂取すると、出血した際にすぐには止まらない恐れがあります。
医薬品として服用する量では問題なく安全ですが、1日3g以上の摂取では注意が必要です。
心房細動リスクが高まる
DHA・EPAを含むオメガ3脂肪酸を過剰に摂取することで心房細動のリスクが高まることが報告されています。
オメガ3脂肪酸の摂取が1日1〜4g以内であれば心房細動のリスクは少しの上昇で正常な数値内ですが、4g以上になると1g増えるごとに1.11倍になることが示唆されています。
DHA・EPAを過剰に摂取すると心房細動リスクが高くなるのです。
心房細動とは不整脈の一種で、心房内を流れる信号の乱れにより心房が不規則に収縮している状態を指します。
心房細動がただちに命の危険をもたらす可能性は低いでしょう。
しかし、放置すると心不全や脳卒中などを引き起こす可能性があるので注意が必要です。
若年層のDHA・EPA摂取量目安は1日あたり1.3~2.1gとされています。
サプリメントを使ってDHA・EPAを摂取する方は、定められた摂取量をきちんと守りましょう。
血糖値の上昇
DHAは血圧を低下させる働きがあるため、血圧降圧剤と一緒に服用すると血圧が過度に低下するおそれがあり注意が必要です。
そのため、糖尿病の治療薬を飲んでいる場合、DHAは血糖値を上昇させる可能性があるため、薬の効果が弱まることがあります。
糖尿病などの薬を服薬中の方は必ず医師に相談してください。
DHA・EPAを摂る際の注意点
DHA・EPAは基本的には体に良い栄養素ですが、摂る際の注意点もあります。
とくに、バランス良く摂取することが大切です。
しかし、DHAやEPAなどの「オメガ3不飽和脂肪酸」は、体内で少しの量でも身体に大きな影響を与える物質を生成することがわかっているため注意が必要です。
また、魚によっては、微量ではありますが水銀などの金属が含まれていることがあります。
特に医薬品を服用中の方や妊娠中の方は摂取量や摂取方法に注意しなければいけません。
加えて、一般的なサプリメントは成人向けに開発されている商品がほとんどです。
子どもに摂取させる場合は対象年齢を確認してから摂取させましょう。
DHA・EPAはサプリからの摂取がおすすめ
DHA・EPAは子どもの成長期にとくに重要な栄養素ですが、主に魚に多く含まれている栄養素です。
ただし、魚の種類によってDHAやEPAの含有量は異なります。
効率良く摂取するにはDHA・EPAが多く含まれた魚の種類を選ぶことが重要になります。
DHA・EPAは魚の煮汁や揚げ油といった調理法では成分が逃げてしまうため、日頃の食事からだけでは十分に摂取できるとは限りません。
そのため、効率良く摂取するにはサプリからの摂取がおすすめです。
食事からの摂取だけでは不安な場合は、DHA・EPAを含むサプリメントを活用してみてはいかがでしょうか。