EPAとDHAってどう違うの?
低価格サプリのEPA・DHAは低品質?
成長サプリの開発ヒアリングでご意見をうかがう親御さんの多くが、お子さんの集中力の無さや落ち着きの無さに悩んでおられます。
そして、ほとんどの方はEPAやDHAが子どもたちの集中力や落ち着きに効果があることは知っておられるようです。
EPAやDHAは、ヒトの体内ではほとんど作ることができない必須脂肪酸の一種で、主に、イワシやサバといった青魚など脂の乗った魚に豊富に含まれています。
私自身も10代の子どもがおり、子どもの集中力の無さに悩んだことがあります。
しかし、成長期の子どもは魚料理より肉料理を好むことが多いので、魚をたくさん食べてもらうのは大変でした。
この記事では、EPAとDHAの違い、そしてEPAとDHAを上手に摂る方法をわかりやすく紹介します。
EPAとDHAの違い5ポイントは?
EPAとDHAの違いを以下の5ポイントに分けて説明します。
それぞれの違いについて詳しく説明します。
基本的な成分情報
EPAとDHAの正式な名前は以下の通りです。
栄養素 | 正式名 | 分子式 |
---|---|---|
EPA | エイコサペンタエン酸 | C20H30O2 |
DHA | ドコサヘキサエン酸 | C22H32O2 |
どちらも、青魚に多く含まれており、さらにn-3系不飽和脂肪酸に分類され「オメガ3」とも呼ばれています。
体内分布
EPAとDHAは、どちらも全身に存在しています。
違いとしては、DHAは特に脳を中心とした神経組織に多く含まれています。
そのため、脳が大きく成長する子どもにとってDHAはとても大切と言われているのです。
EPAは血液をサラサラにする効果が期待されているため、血液や血管の健康にさまざまな効果があることがわかっています。
歴史
最初に発見されたのはEPAです。
1960年後半にグリーンランドに住むイヌイットの中で、心筋梗塞などの生活習慣病の割合が低いことに注目した研究によって明らかになりました。
1990年代の後半からは、魚の摂取量が多い国では憂うつさの頻度が低い可能性も発表されています。
DHAは1989年にイギリス、北ロンドン大学のマイケル・クロフォード博士が著書の中で「日本の子供の知能指数が高いのは、魚をよく食べるためではないか」と述べたのが始まりと言われています。
EPAと比較すると、DHAはまだまだこれから研究が進むであろう栄養素です。
医療上の研究データ
EPAは、1960年代の研究によってその働きが発見されて以来、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などといった生活習慣病が予防できる栄養素として世界中で研究されてきました。
また、EPAは、純度100%の医薬品も開発されており、中性脂肪値を下げたり血栓を予防したりする効果が証明されています。
DHAはさまざまな研究が行われておりまだまだ研究途上です。
DHAに関して明確にわかっていることは、私たち人間の脳組織にとても豊富に存在する脂質であるということです。
EPA・DPAの医学的効果を証明した論文については以下の記事で特集しています。
機能と効果
EPAの血管をサラサラにする成分は、スムーズな血流や前向きな気持ちになれるようサポートする機能があります。
血液や血管の健康に影響するため、健康や生活習慣に不安な人、憂うつな気分になりやすい人におすすめです。
一方、DHAにはEPA同様に血管をサラサラにする成分があり、考える力や覚える力の維持や健康維持に重要な働きが期待できます。
仕事や勉強を頑張りたい人や生活習慣が気になる人まで、効果は期待できるでしょう。
ざっくり言うと、EPAは成人した大人の健康に期待され、DHAは脳の構成成分として覚えることが多い人や成長期の子どもに効果的と言われています。
EPAとDHAを上手に摂る3つの方法
EPAとDHAを上手に摂る方法は以下の通りです。
それぞれについて詳しく説明します。
EPAは体内量が不安定なので継続摂取
EPAはとても柔らかい脂肪酸で体にとってはとても重要な成分ですが、すぐに酸化してしまう欠点があります。
つまり、EPAを食べ物から摂取しても時間の経過とともに減ってしまうため、継続的な摂取が必要です。
EPAは、健康的な血の巡りをサポートしたり前向きな気持ちになれるようサポートしたりするのに期待されています。
とくに、将来の健康や生活習慣の乱れ予防、また気分が落ち込みやすい人は積極的に摂取してもらいたいのがEPAです。
ちなみに、EPA・DPAは摂取する時間によって体内に取り込まれる量が異なることが分かっています。
受験生にはDHAが重要
DHAは、脳細胞の働きを活発にさせる働きがあります。
脳には血液脳関門という部位があるのですが、DHAはここを通過できる数少ない成分です。
考える力や覚える力が必要となる受験生には必要不可欠で、とくに意識して摂取してもらいたい成分です。
また、DHAは成人になるとあまり欠乏することがないと言われています。
酸化しやすいので品質に注意
EPAとDHAはどちらも酸化しやすいため、どんなに多く摂取しても「質」が悪ければあまり意味がありません。
酸化とは、空気に触れることで物質に酸素が化合して期待できる効果を失うことです。
生魚に比べ焼き魚は、EPAが17%、DHAが15%減少した研究結果もあります。
(参照:イワシ中の脂肪酸、とくにエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸含量に及ぼす調理の影響 要約より)
また、酸化したDHAやEPAの油は体に悪影響を及ぼす可能性があると言われています。
質の良いEPAとDHAを摂取したい場合、魚そのものを食べるより、正しい方法で抽出されたカプセルなどに入れられたサプリメントがおすすめです。
多くのサプリに含まれるEPA・DPAですが、安価のサプリでは品質の低いEPA・DHAを使用していることが多いようです。
まとめ
集中力や落ち着きに不安があるお子さんにはEPAとDHAの摂取が大切です。
とくに、気分的にも不安定になりやすい受験生のお子さんには質の良いEPAとDHAを摂取できるようにしてあげましょう。
でも、育ち盛りなので魚より肉が食べたいと言われます・・・
そんなときには、質の良いEPAとDHAが効率よく摂取できるサプリを活用するのもおすすめです。
できるだけお子さんの負担にならないよう、成長のサポートをしてあげましょう。